電子レンジでチンしたさつまいもと、じっくり焼いた焼き芋。同じさつまいもなのに、甘さがまるで違う、不思議に思ったことがあるかもしれません。
これは気のせいではなく、さつまいもの中で起きている化学反応の違いです。
さつまいもには、β-アミラーゼという酵素が含まれています。
この酵素が、加熱ででんぷんが糊状になったものを、甘み成分の麦芽糖に変えてくれます。
ただしこの酵素、60〜65℃くらいでよく働く一方、75℃を超えると働きを止めてしまいます。
電子レンジのように一気に内部まで温度が上がる加熱だと、酵素が働く時間がほとんどないまま高温になってしまい、甘みが引き出されにくいんです。
反対に、低い温度でじっくり時間をかけて加熱すると、酵素が長く働ける時間が生まれ、それだけ甘くなります。

甘みを引き出すにはレンジは不向きだったのですね。
さつまいもに期待される栄養
さつまいもは、食物繊維が豊富な食材として知られています。
甘みがあるのにお腹の調子を整える面でも頼りになる、という組み合わせは、ほかの野菜にはあまりない特徴です。
今回は、この甘みの仕組みを踏まえつつ、大学芋やスイートポテト以外の5品を紹介します。
さつまいもと豚肉のごま味噌炒め

さつまいもの甘みと、味噌のコクを合わせたごはんが進む一品です。
材料(2人分)
さつまいも…1/2本/豚バラ薄切り肉…150g/味噌…大さじ1/みりん…大さじ1/砂糖…小さじ1/ごま油…大さじ1/白いりごま…適量
作り方
1. さつまいもは1cm厚さの半月切りにし、水にさらす。
2. 耐熱皿に乗せ、ラップをして電子レンジで3分加熱する。
3. フライパンにごま油を熱し、豚バラ肉を炒める。
4. さつまいもを加えて炒め合わせる。
5. 味噌、みりん、砂糖を混ぜたものを加えてからめ、ごまを振る。
コツ
先に電子レンジで軽く加熱しておくと、炒め時間が短くて済み、芯まで火が通ります。
さつまいもの甘辛きんぴら

ごぼうのきんぴらの要領で、さつまいもを使った箸休めです。
材料(2人分)
さつまいも…1/2本/赤唐辛子…1本/ごま油…大さじ1/しょうゆ…大さじ1/みりん…大さじ1/砂糖…小さじ1/白いりごま…適量
作り方
1. さつまいもは細切りにし、水にさらす。
2. 赤唐辛子は種を取り、輪切りにする。
3. フライパンにごま油と赤唐辛子を熱し、さつまいもを炒める。
4. しんなりしてきたら、しょうゆ、みりん、砂糖を加えて炒め合わせる。
5. 汁気がなくなったら、ごまを振る。
コツ
細切りにすることで火が通りやすく、短時間でシャキッとした食感に仕上がります。
さつまいもとベーコンのチーズ焼き

低温でじっくり加熱して甘みを引き出した上で、チーズのコクを合わせます。
材料(2人分)
さつまいも…1本/ベーコン…3枚/ピザ用チーズ…50g/オリーブオイル…大さじ1/塩こしょう…少々
作り方
1. さつまいもは1.5cm厚さの輪切りにする。
2. 耐熱皿にオリーブオイルを薄く引き、さつまいもを並べる。
3. アルミホイルをかぶせ、160℃のオーブンで20分焼く。
4. ベーコンをのせ、塩こしょうをふり、ピザ用チーズをかける。
5. ホイルを外し、200℃でチーズが溶けるまでさらに10分焼く。
コツ
最初を低めの温度でじっくり焼くことで、酵素が働く時間が長くなり、さつまいも自体の甘みがしっかり出ます。
さつまいもの茶巾しぼり

和菓子屋さんで見かけるような、見た目も華やかな一品です。
材料(2人分、4個)
さつまいも…1本/砂糖…大さじ2/牛乳…大さじ2/バター…10g/黒ごま…少々
作り方
1. さつまいもは皮をむいて1cm厚さに切り、水にさらす。
2. 鍋にさつまいもとかぶるくらいの水を入れ、弱めの中火で15分ほど、やわらかくなるまで茹でる。
3. 熱いうちにつぶし、砂糖、牛乳、バターを加えて混ぜる。
4. ラップで包んで茶巾の形に絞り、黒ごまを飾る。
コツ
弱めの火でじっくり茹でると、甘みが出やすいだけでなく、裏ごしをしなくてもなめらかにつぶれます。
さつまいもと鶏肉の塩麹炊き込みご飯

さつまいもの甘みと塩麹のうまみを、ご飯ごと味わう一品です。
材料(2〜3人分)
米…2合/さつまいも…1/2本/鶏もも肉…100g/塩麹…大さじ2/酒…大さじ1/黒いりごま…少々
作り方
1. 米は洗って30分浸水させ、ざるにあげる。
2. さつまいもは1.5cm角に切り、水にさらす。
3. 鶏もも肉はひと口大に切り、塩麹をもみ込んでおく。
4. 炊飯器に米と、通常の水加減よりやや少なめの水、酒を入れる。
5. さつまいもと鶏肉を上にのせて炊飯し、炊き上がったら全体を混ぜ、ごまを振る。
コツ
炊飯器の保温時間も含めると、さつまいもが低い温度にさらされる時間が長くなるので、炊き込みご飯はもともと甘みが出やすい調理法です。
同じさつまいもでも、火の入れ方しだいで甘さが変わります。
次にさつまいもを調理するとき、急いで高温で仕上げるか、少し待ってじっくり火を通すか、選んでみてください。



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