実家では灯油ストーブだったけど、今の家はエアコンしかない。
これから灯油ストーブを買い足すべきか、エアコンだけで乗り切るべきか、電気代と灯油代を見ながら毎年悩んでいる人もいると思います。
結論から言うと、多くの家庭ではエアコンの方がトータルで安くなりますが、条件次第で灯油ストーブが有利になるケースもあります。
今回は、なぜそう言えるのかという仕組みの部分から、実際の目安の金額まで整理しました。
1時間あたりの費用は、エアコンの方が安い
灯油ストーブは、灯油1リットルあたり約122.8円、消費量を1時間あたり0.279リットルとすると、1時間の暖房費はおよそ34円です。
一方エアコンは、電気料金単価を1kWhあたり31円、消費電力605Wとすると、1時間あたりおよそ18円になります。
単純計算では、エアコンのほうが1時間あたり15円前後安く、1日8時間使うと1ヶ月で3,000円以上の差になる計算です。
この価格差の背景には、灯油代・電気代そのものの単価だけでなく、暖房の仕組みの違いがあります。
なぜエアコンのほうが効率がいいのか
灯油ストーブは、燃料を燃やして発生した熱でそのまま部屋を暖める仕組みです。
投入したエネルギーを熱に変える効率は、理論上どんなに頑張っても100%が上限になります。
これに対してエアコンは「ヒートポンプ」という仕組みで動いていて、電気の力で外の空気から熱をくみ上げて室内に運び込みます。
電気は熱を生み出すためではなく、熱を移動させるための冷媒を圧縮する動力として使われるので、投入した電力の何倍もの熱を室内に運べます。
「同じ1の電気・燃料で、運べる熱の量がそもそも違う」というのが、エアコンのランニングコストが安くなる根本的な理由です。
灯油ストーブには「換気の手間」もかかる
灯油ストーブは室内で燃料を燃やす仕組みなので、一酸化炭素中毒を防ぐために1〜2時間に1回程度の換気が欠かせません。
換気のたびに、せっかく暖めた部屋の空気が外に逃げてしまい、また一から部屋を暖め直すことになります。
この「暖め直しのロス」は、単純な燃料単価の比較には出てこないコストなので、体感としてはさらに灯油ストーブが不利に感じられることがあります。
エアコンにはこの換気の手間がなく、密閉した部屋でも安全に使い続けられる点も、実用面での大きな違いです。
それでも灯油ストーブが有利になるケース
ここまではエアコンに分がある話でしたが、灯油ストーブが有利になる条件もあります。
外気温がマイナス5℃を下回るような寒冷地では、エアコンのヒートポンプが外気から熱をくみ上げにくくなり、効率が大きく落ちてしまいます。
そのような地域では、外の気温に左右されにくい灯油ストーブのほうが、安定した暖房効率を保ちやすくなります。
また、停電時にも使えるという点は、災害への備えとして灯油ストーブを手放せない理由になっている家庭も少なくありません。
結局どちらを選べばいいか
都市部や太平洋側など、冬場でも氷点下まで下がりにくい地域で、集合住宅に住んでいるなら、エアコンだけで十分なケースが多いです。
灯油の購入・保管の手間もかからず、換気の必要もないので、日々の使い勝手もエアコンのほうがシンプルです。
一方、寒冷地に住んでいる、または停電時の備えも兼ねたいという人は、エアコンをメインにしつつ、灯油ストーブを補助的に併用する形が現実的だと思います。
「どちらか一方に絞らなければいけない」わけではなく、普段はエアコン、冷え込みが厳しい日だけ灯油ストーブ、という使い分けをしている家庭も多いです。



コメント