アクアパッツァって、名前だけ聞くとお店で食べる料理という感じがしませんか。
実際には魚とアサリを煮るだけのシンプルな料理で、家庭でも十分再現できます。
ただ、なんとなく作ると味が薄かったり、ソースがまとまらなかったりしがちです。
今回は、それぞれの手順がなぜ必要なのかを先に押さえたうえで、実際の材料・作り方をまとめました。
なぜ白身魚なのか
アクアパッツァに青魚ではなく白身魚が定番なのには理由があります。
白身魚は脂と魚特有のクセが少ないため、あさりやトマトの風味を邪魔せず、出汁を吸い込みやすいという性質があります。
また、身が締まっていて煮崩れしにくいことも、この料理に向いている理由の一つです。
真鯛やスズキ以外でも、メバルやカサゴのような白身魚であれば、同じ考え方で応用できます。
あさりを一緒に煮る理由
あさりは、見た目以上に味の決め手になる存在です。
魚に多く含まれるイノシン酸と、貝類に多いコハク酸は、一緒に加熱すると互いの旨味を引き立て合うことが知られています。
魚だけで煮るよりも、あさりを加えることで、出汁の奥行きがはっきり変わってくるのはこのためです。
あさりの砂抜きが不十分だと、せっかくの出汁がジャリジャリしてしまうので、購入時に砂抜き済みか確認するか、自分で塩水に1時間ほどつけておくと安心です。
ふたをして蒸し煮にする理由
白ワインと水を加えたあとにふたをするのは、単に早く火を通すためだけではありません。
ふたをすることで蒸気がこもり、魚とあさりの旨味が水分中に十分に溶け出す時間を確保できます。
ふたを開けたまま煮ると水分がどんどん蒸発してしまい、旨味が出きる前に煮詰まりすぎてしまうことがあります。
あさりの殻が開いた時点というのは、貝の中の旨味がほぼ出汁に移り終わったサインでもあるので、開いたらすぐふたを取るのが、煮すぎを防ぐ目安になります。
最後にフライパンを揺するのはなぜ?
仕上げにオリーブオイルを加えてフライパンを揺する工程を、面倒に感じて省いてしまう人もいるかもしれません。
ただこの工程には、本来なら混ざりにくい油分と水分(煮汁)を乳化させて、とろみのある一体感のあるソースに変える役割があります。
揺すらずにそのまま盛り付けると、皿の上で油と煮汁が分離して見えてしまい、味も水っぽく感じやすくなります。
フライパンを持ち上げて円を描くように揺すり、煮汁全体が少しとろっとしてくるのを目安にすると、仕上がりが安定します。

材料(2人分)
- 白身魚(真鯛・スズキなど)……2切れ
- あさり(砂抜き済み)……200g
- ミニトマト……8個(普通のトマトなら1個)
- にんにく……1片
- 白ワイン……100ml
- 水……100ml
- オリーブオイル……大さじ3
- 塩・こしょう……適量
- パセリ(あれば)……適量
作り方
白身魚は両面に塩・こしょうを振り、5分ほど置いてから出てきた水気をキッチンペーパーで拭き取ります。
にんにくは包丁の腹でつぶし、フライパンにオリーブオイル大さじ2とともに入れて弱火にかけます。
香りが立ってきたら中火にし、魚の皮目を下にして入れ、こんがりと焼き色がつくまで動かさずに焼きます。
魚を裏返したら、あさり・ミニトマト・白ワイン・水を加えます。
ふたをして中火で5〜7分、あさりの殻が開くまで蒸し煮にします。
ふたを取り、残りのオリーブオイル大さじ1を加えたら、フライパンを軽く揺すりながら30秒ほど煮詰めます。
味を見て、必要なら塩で調え、パセリを散らせば完成です。
アレンジしたいとき
白ワインが家になければ、日本酒でも代用できます。
風味は少し変わりますが、アルコールの効果で魚の臭みを飛ばすという役割は変わらず果たしてくれます。
あさりの代わりにムール貝やはまぐりを使ったり、ミニトマトの量を増やして酸味を強めにしたりと、手元にある材料で調整しやすいのも、この料理の扱いやすいところです。
基本の考え方さえ押さえておけば、魚や貝を変えても大きく失敗しにくい料理だと思います。



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