スモークサーモンって、お店で買うものだと思っていませんか?
私もそうでした。
でも一度、自分で作ってみると意外と面白いんです。
サーモンに塩をして、水分を抜いて、しっかり乾かす。そして低い温度でゆっくり煙を当てる。
完成まで少し時間はかかります。
ただ、その待つ時間も含めて楽しいのがサーモンの冷燻製だと思います。

今回は、家庭でも挑戦しやすい方法で、自家製スモークサーモンを作ります。
熱を加えて作る普通の燻製ではありません。
サーモンに火を通さず、低温の煙で香りを付ける「冷燻」です。
この記事で作る流れ
サーモンを仕込む
↓
一晩寝かせる
↓
塩抜きする
↓
しっかり乾燥させる
↓
低温で冷燻する
↓
冷蔵庫で寝かせる
↓
完成
冷燻製を始める前に知っておきたいこと
最初に一つだけ大事なことがあります。
冷燻は、焼く料理ではありません。
煙の香りを付けますが、サーモンの中心まで加熱するわけではありません。
つまり、「煙をかけたから安全になる」というものではありません。
使用するサーモンは購入時の表示や保存方法を守り、衛生管理にも注意してください。
特に冷燻した魚は長期保存を前提にせず、家庭で作ったものは早めに食べることをおすすめします。
材料|今回はサーモン300gで作る
- サーモンの柵 300g程度
- 塩 30g
- 砂糖 15g
- 粗挽きブラックペッパー 少々
- 好みでディルなどのハーブ
今回は分かりやすく、サーモン300gを基準にしました。
塩だけでも作れますが、砂糖を少し入れると塩味が角張りにくく、個人的にはこちらの方が食べやすいです。
最初から色々なスパイスを入れなくても大丈夫です。
まずは、サーモンそのものと煙の香りを楽しむくらいで十分です。
用意するもの
- ラップまたは保存袋
- バット
- キッチンペーパー
- 乾燥用の網
- 燻製器
- スモークウッド
- 温度計
- 保冷剤または氷
ここで大事なのは、冷燻だからこそ温度を見ることです。
熱燻のように「煙が出ているから大丈夫」ではありません。
サーモンに火を入れず、低い温度を維持しながら煙を当てます。
工程1|サーモンの下処理をする
まずサーモンを確認します。
骨が残っている場合は、骨抜きで取り除きます。

ここは地味ですが、完成してから骨が出てくると少し残念なので、最初にしっかり見ておきます。
表面の水分もキッチンペーパーで軽く拭いておきます。
水分が多いままだと、あとから塩をしても味が入りにくくなります。
工程2|塩と砂糖をすり込む
塩と砂糖を混ぜます。
今回はサーモン300gなので、塩30g、砂糖15gを目安にしました。
この割合は絶対ではありません。
ただ、初めて作る場合は、極端に塩を減らしすぎないほうが仕上がりをイメージしやすいと思います。
混ぜた塩と砂糖を、サーモンの表面にまんべんなくすり込みます。
「こんなに塩を使って大丈夫かな?」と思うかもしれません。
私も最初はそう思いました。
でも、このあと塩抜きをするので、ここではしっかり全体になじませます。
ブラックペッパーやディルを使う場合も、このタイミングで一緒に加えます。
工程3|ラップで包んで冷蔵庫で寝かせる
塩と砂糖をすり込んだサーモンをラップで包みます。
保存袋でも大丈夫です。
できるだけ密着させたら、バットなどに乗せて冷蔵庫へ入れます。

目安は12〜24時間程度。
途中で見ると、サーモンから水分が出てきます。
ここが仕込みの面白いところです。
最初は柔らかかったサーモンが、少しずつ締まっていきます。
家庭で作る場合は、冷蔵庫の温度やサーモンの厚みによって仕上がりが変わるので、最初は長時間放置しすぎないほうが無難です。
工程4|塩を洗い流して塩抜きする
冷蔵庫から取り出したら、表面についた塩と砂糖を軽く洗い流します。
ここで一度、端を少しだけ味見してみるのもいいと思います。
かなり塩辛い場合は、冷水に浸けて塩抜きをします。
時間はサーモンの厚みや塩の入り方で変わるので、最初から長時間水に浸けるより、様子を見ながら調整したほうが失敗しにくいです。
塩を抜きすぎると、せっかく締まった身が水っぽくなるので注意。
ここは少し面倒ですが、味を決める工程なので焦らない方がいいです。
工程5|水分をしっかり拭き取る
塩抜きが終わったら、キッチンペーパーで水分をしっかり拭き取ります。
「もうこれで燻せるんじゃない?」と思うところですが、まだです。
冷燻では、このあとの乾燥がかなり大事になります。
表面に水分が残っていると、煙の香りが付きにくくなります。
工程6|サーモンを乾燥させる
サーモンを網の上に置きます。
網の上に置く理由は簡単です。
下からも空気が通るからです。
皿の上にそのまま置くより、全体を乾かしやすくなります。
冷蔵庫の中で乾燥させる場合は、他の食品との接触や衛生面に注意してください。
時間の目安は、表面がベタベタではなく、少ししっとりした膜を感じるくらいまで。
これがいわゆる「ペリクル」と呼ばれる状態です。
触ると表面が少し変わっているのが分かります。
ここまでしっかり乾燥させておくと、燻製した時の香りが乗りやすくなります。
正直、急いでいる時ほど飛ばしたくなる工程です。
でも、自家製スモークサーモンはここを丁寧にやった方が仕上がりが変わります。
乾燥用の網があると便利
サーモンを乾燥させる時は、家にある網でも問題ありません。
ただ、食材を置きやすい乾燥用の網が一つあると、魚だけではなく肉や野菜を乾かす時にも使えます。
燻製を続けるなら、こういう地味な道具の方が後から出番が多かったりします。
工程7|いよいよ冷燻する
ここからが冷燻です。
まず大事なのは、サーモンを温めないこと。
冷燻では煙を当てますが、熱を加えるわけではありません。
スモークウッドなどの煙を使い、サーモンから火元をできるだけ離します。
庫内の温度が上がりそうな場合は、保冷剤や氷を使って温度上昇を抑えます。
家庭で行う冷燻では、気温の低い時期の方が温度管理しやすいです。
暑い季節は庫内温度が上がりやすいので、無理をしない方がいいと思います。
冷燻は温度計を見ながらやる
ここは本当に大事です。
煙が出ているからといって、ずっと放置するのはおすすめしません。
庫内の温度を確認します。
冷燻では、一般的に低温を維持し、温度を上げすぎないことが重要です。
家庭での方法には幅がありますが、20℃前後を意識し、少なくとも30℃を超えないよう管理する考え方が使われています。
温度管理ができない環境なら、無理に冷燻を続けない方が安全です。
温度計は派手な道具ではありません。
でも冷燻をするなら、燻製器そのものより先に必要だと思います。
工程8|サーモンに煙を当てる
温度を確認しながら、ゆっくり煙を当てます。
燻製時間は、サーモンの大きさや煙の量、好みの香りによって変わります。
家庭で作る場合は、最初から長時間やりすぎるより、軽めの香りから試す方が失敗しにくいです。
目安としては2〜4時間程度から様子を見る方法があります。
煙を強く当てすぎると、せっかくのサーモンの味が全部煙の香りになってしまいます。
「あ、ちゃんと燻製の香りがする」
くらいで十分です。
このあたりは、何度か作ると自分の好みが分かってきます。
ちなみに私は下の燻製機を使ってます。冷も温燻製にも便利ですよ
冷燻にはスモークウッドが使いやすい
家庭で冷燻をする場合、スモークウッドは使いやすい道具の一つです。
燃焼することで煙を出すので、サーモンから火元を離しやすく、チップを加熱する方法とは違った使い方ができます。
ただし、燻製器の構造や環境によって温度は変わるので、スモークウッドを使えば自動的に冷燻になるわけではありません。
やはり温度確認は必要です。
工程9|燻製が終わっても、すぐには食べない
ここで終わりではありません。
燻製した直後のサーモンは、煙の香りが少し強く感じることがあります。
私なら、ここですぐ切って食べたい気持ちを我慢します(笑)。
サーモンを冷蔵庫に入れて、半日から一晩ほど休ませます。
そうすると、煙の香りが少し落ち着いてきます。
自家製スモークサーモンは、この待ち時間も含めて完成だと思います。
完成|切る時は少し冷えている方が切りやすい
冷蔵庫から取り出したら、いよいよ完成です。
薄く切るなら、サーモンがしっかり冷えている方が切りやすいです。
包丁を寝かせるようにして、ゆっくり切ります。
完成したサーモンは、そのまま食べても十分。
- クリームチーズ
- 玉ねぎ
- ケッパー
- ブラックペッパー
- オリーブオイル
このあたりと合わせると、かなりそれっぽい一皿になります。
個人的には、作った翌日に食べる瞬間が一番好きです。
スーパーで買ったサーモンだったものが、自分で時間をかけた分だけ、ちょっと特別な食べ物になっています。
自宅でサーモンの冷燻をする時に必要な道具
今回のレシピで、最初から全部を高価な専用品にする必要はありません。
ただ、冷燻を何度かやるなら、次の道具は揃えておくと楽です。
- 燻製器
- スモークウッド
- 庫内温度計
- 食材を乾燥させる網
- 保冷剤
この中でも、個人的に優先したいのは温度計とスモークウッドです。
燻製器は最初から高価なものを選ばなくても構いません。
ただ、冷燻の場合は「煙が出るか」だけではなく、「その時に庫内が何℃なのか」が重要になります。
道具を選ぶ時も、商品名だけを見るより、温度管理しやすい構造かどうかを考えた方が使いやすいと思います。
揃えるなら、この3つから
1.冷燻用スモークウッド
今回のレシピで煙を作るための基本アイテムです。
最初から大量に買うより、複数の香りを試せるタイプを選ぶと、次にチーズやナッツを燻製する時も楽しめます。
2.燻製用温度計
冷燻では温度管理が重要です。
「たぶん大丈夫」ではなく、数字で確認できるようにしておくと安心です。
3.家庭用燻製器
今後、サーモンだけではなくチーズやナッツ、ベーコンなどにも挑戦したいなら、燻製器を一つ用意しておくと楽しみが広がります。
ただし、冷燻をする場合は商品説明だけで判断せず、火元と食材を離せるか、温度管理ができるかも確認してください。
冷燻サーモンで失敗しやすいポイント
乾燥が足りない
急いでいると、ここを飛ばしたくなります。
でも表面が濡れたままだと、煙の香りがきれいに付きにくくなります。
冷燻前の乾燥は、できるだけ丁寧にやった方がいいです。
煙を当てすぎる
「せっかくだから」と長時間燻すと、香りが強くなりすぎることがあります。
最初は短めから。
物足りなければ次回調整する。
この方が失敗しにくいです。
温度を確認しない
これが一番避けたいところです。
冷燻は、普通の燻製とは違います。
煙を出しながらサーモンの温度を上げないようにする必要があります。
だからこそ、温度計で確認します。
まとめ|自家製サーモンの冷燻製は「待つ料理」だった
サーモンの冷燻製は、派手な料理ではありません。
塩をする。
待つ。
塩を抜く。
乾かす。
煙を当てる。
また待つ。
書いてみると、ほとんど待っている料理です(笑)。
でも、その工程を一つずつやっていくから、完成した時の味が面白いんだと思います。
スーパーで買ったサーモンが、塩漬けと乾燥、そして低温の煙を経て、少しずつ別の食べ物になっていく。
これが自宅燻製の楽しさです。
最初は完璧に作ろうとしなくても大丈夫です。
まず一度、温度管理をしながら軽めに燻してみる。
次は塩加減を変える。
その次は使うスモークウッドを変える。
そんな感じで、自分好みのスモークサーモンを探していくのが一番楽しいと思います。
※冷燻は加熱調理ではありません。家庭で作った冷燻サーモンは市販品と同等の保存性が保証されるものではありません。衛生管理と低温管理に注意し、長期保存を避け、早めに消費してください。妊婦・高齢者・免疫機能が低下している方などは、加熱していない食品の摂取について特に注意が必要です。



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