「ChatGPTに旅行プランを聞いたら、なんか微妙な答えしか返ってこなかった」という経験、ありませんか。
実は同じAIに同じことを聞いても、聞き方を変えるだけで、返ってくる答えの質がまったく違います。
「AIの性能が悪い」のではなく「聞き方が惜しい」だけ、というケースが実はかなり多いです。
今回は、その「聞き方」の差がなぜ生まれるのか、仕組みから整理しました。
「役割を与える」だけで答えが変わるのはなぜか
プロンプトのコツとしてよく紹介される「あなたは〇〇の専門家です」という一文、あれには実はちゃんとした理由があります。
AIは、膨大な文章データの中から、次に来る言葉として自然なものを予測しながら文章を作っています。
「あなたはSEO歴15年のWebマーケターです」と役割を与えると、AIはその役割の人が書きそうな言葉づかいや専門的な視点に絞り込んで、答えを組み立てるようになります。
役割を与えないままの質問は、いわば「誰が答えてもいい」状態なので、当たり障りのない一般論に寄りやすくなります。
役割を先に伝えるひと手間だけで、回答の的の絞り方がまったく変わってくるということです。
「曖昧な指示」と「具体的な指示」、実際にどう違うか
役割と同じくらい大事なのが、条件をどこまで具体的に伝えるかです。
「旅行プランを教えて」という聞き方だと、AIは人数も予算も行き先の傾向も分からないまま、無難な一般論を返すしかありません。
「家族4人、国内旅行、予算10万円、自然を楽しめる場所」まで条件を伝えると、その条件に沿った具体的な提案が返ってきます。
AIにとって、条件が多いほど「答えの選択肢」が絞られるので、結果的に的を絞った回答を出しやすくなる、というのが理屈です。
「なんとなく聞く」から「条件を並べて聞く」に変えるだけで、返ってくる答えの解像度がはっきり上がります。
「役割→前提条件→指示」の順で並べる、通称「深津式」
役割の指定と条件の具体化、この2つを組み合わせた型として知られているのが「深津式プロンプト」です。
最初にAIへ役割を与え、そのあとに前提条件を並べ、最後に具体的な指示を伝える、という順番で組み立てます。
例えば「あなたはプロの家計アドバイザーです」→「夫婦2人暮らし、月の手取り30万円、貯金目標は年間50万円」→「無理なく続けられる節約プランを3つ提案してください」という順です。
毎回この順番を意識するだけで、行き当たりばったりに質問するより、ずっと再現性の高い答えが返ってくるようになります。
複雑なお願いほど、一度に全部聞かない
もう一つ、地味に効くのが「一度に全部お願いしない」という進め方です。
「記事を書いて、タイトルも考えて、SNS用の文章も作って」と一気に頼むと、AIはどこに一番力を入れるべきか判断しづらくなります。
まず記事の骨子だけ作ってもらい、それを確認してからタイトルを考えてもらう、というように段階を分けると、それぞれの精度が上がります。
また、指示文と参考にしてほしい文章を混ぜて書くと、AIがどこまでが指示でどこからが素材なのか迷うことがあります。
「###」や「””」のような記号で指示と素材を区切っておくと、AIが取り違えにくくなります。
難しいテクニックというより、「相手が新人スタッフだったら、この聞き方で伝わるか」を意識するくらいの感覚で十分だと思います。



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