最高のコスパ栽培は、一度植えれば何年も収穫できる多年草野菜

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家庭菜園といえばトマトやナスを思い浮かべる人が多いと思いますが、実はその野菜、育て方次第でコスパが大きく変わります。

物価高の今、本当に得なのは、普段から食卓に並ぶ野菜を、同じ株から何年も収穫し続けることです。

実は、ナスやピーマン、ししとうといった毎日おかずになる野菜も、育て方の工夫次第で同じ株から何年も収穫できるんです。

今回は、食卓に出る頻度の高い定番野菜から、山菜や薬味まで、一度植えれば何年も収穫できる「多年草」野菜を一部紹介します。

なぜ多年草は「年数が経つほど得」になるのか

一年草の野菜は、収穫が終わったら株ごと処分して、翌年また新しい苗を買うところからのスタートです。

多年草の野菜は、根っこが土の中で生き続けるので、地上部を収穫しても、翌年また同じ株から芽が出てきます。

つまり、初年度に苗代を払ってしまえば、2年目以降はほぼゼロコストで収穫が続くということです。

1年だけで見ると一年草と大差なく見えても、3年、5年と積み重なるほど、節約効果の差ははっきり開いていきます。

茄子|更新剪定と防寒で、同じ株から何年も採れる

実はナスは、本来インド原産の熱帯性の多年草で、原産地では木のように何年も育ち続けます。

ただ、日本の冬の寒さに耐えられずに枯れてしまうため、便宜上「一年草」として扱われているだけなんです。

実際、夏に収穫したナスの主枝を7月下旬〜8月上旬ごろに半分〜3分の2ほどの長さまで切り戻し、葉を2〜3枚残しておくと、20〜30日ほどで同じ株から「秋ナス」として再び収穫できます。

そして実は、きちんと防寒対策をすれば、ナスを冬越しさせて来年も同じ株から収穫することもできます。

畝にビニールトンネルをかけて冷気を遮り、夜間でも5℃以上を保てるように管理すれば、温暖地から中間地であれば冬越しが可能とされています。

春になって植え替えると、新しい苗を一から育てるよりも株の立ち上がりが早く、すぐに実がつき始めます。

ただし、豪雪地域や、海風・ビル風が強く吹き込む場所では管理が難しくなるため、住んでいる地域の気候によって向き不向きが分かれます。

ほぼ毎日のように食卓に上がる野菜だからこそ、苗代を毎年払わずに済むメリットは、じわじわと家計に効いてきます。

ピーマン|温暖な地域なら、同じ株が冬を越して実をつけ続ける

ピーマンも、ナスと同じナス科に属する熱帯性の多年草です。

生育に適した温度は25〜30℃前後で、寒さに弱いために日本では一年草として扱われています。

ただ、大阪など比較的温暖な地域では、防寒対策さえすれば屋外でも冬越しできることが分かっています。

不織布やプチプチ状の保温資材で株全体を覆う、あるいはビニールトンネルで囲って保温するのが基本のやり方です。

冬の間は生育がほぼ止まった休眠状態になりますが、春になって気温が上がると、同じ株からまた芽を伸ばして実をつけ始めます。

新しい苗を種や苗から一から育てるよりも、株がすでにできあがっている分、収穫までが早くなります。

ただし、同じ場所で何年も育て続けると連作障害が出やすくなるため、土のケアや場所のローテーションは意識しておく必要があります。

ししとう|霜さえ防げれば、同じ株からまた収穫できる

※越冬させるイメージですが、その時期にシシトウはなっておりません

ししとうも同じナス科の仲間ですが、ピーマンよりもやや寒さに弱い野菜です。

生育に適した温度は25〜30℃で、最低気温が10℃を下回ると生育がほぼ止まってしまいます。

屋外での冬越しは、基本的に「霜との勝負」になります。

防寒シートやビニールトンネルで霜を防ぐことができれば、温暖な地域であれば冬を越せる可能性があります。

ただ、連日厳しい霜が降りるような地域では、保温していても枯れてしまうことが多く、ナスやピーマンに比べると冬越しの成功率は下がります。

それでも、うまく冬を越せれば同じ株から翌年も収穫でき、苗代を浮かせられるのは他の2つと同じです。

ニラ|株元2〜3cmを残して刈れば、また生えてくる

ニラは、多年草野菜の中でも特に丈夫で失敗しにくい野菜です。

収穫のコツは、根元から刈り取ってしまわないことです。

地上部が20cmほどに育ったら、株元を2〜3cm残してハサミで刈り取ります。

この「残す」という一手間が、次の芽を伸ばすための力を株に温存させるポイントです。

水やりを続けていれば、1カ月ほどでまた収穫できる高さまで伸びてきます。

これを年に3〜4回繰り返しながら、同じ株から4〜5年ほど収穫を続けられます。

ただし、植えたばかりの1年目はまだ株が十分に育っていないので、農家であれば2年目以降からが本格的な収穫のスタートです。

家庭菜園であれば、1年目から少しずつ収穫しても問題ありません。

ニラを育てるうえで気をつけたいのが、通称「油虫」とも呼ばれるアブラムシです。

ニラにつくのは体長2mmほどの黒っぽい「ネギアブラムシ」で、5〜6月と10〜11月ごろに発生しやすくなります。

湿気がこもった環境で増えやすいため、株と株の間隔を詰めすぎず、風通しをよくしておくことが一番の予防になります。

大量発生すると葉が黄色くなって枯れてしまうだけでなく、ウイルス病を運んでしまうこともあるので、葉の様子を見て早めに気づくことが大切です。

アスパラガス|根株の苗を選べば、翌年から収穫できる

アスパラガスは、スーパーで買うと1本1本の単価が高めな野菜です。

だからこそ、自宅で育てられると、家計への効果を実感しやすい野菜でもあります。

種から育てると収穫まで3年ほどかかりますが、すでに根が育った「根株苗」を選べば、2,000円ほどの初期投資で、植えた翌年から収穫を始められます。

2年目はまだ収穫量が少なめですが、3年目からは本格的な量が採れるようになり、収穫量のピークは5年目あたりです。

一度根付けば、同じ株からおよそ10年ほど収穫を続けられます。

最初の投資は他の野菜より少し高めですが、単価の高さと収穫できる年数の長さを考えると、家庭菜園の中でも特に「育てて得する」野菜の代表格です。

ミョウガ|日陰でも育ち、年々収穫量が増えていく

ミョウガは、庭のちょっとした日陰スペースでも育てられる、扱いやすい多年草です。

他の野菜が「日当たりのいい場所を取り合う」中で、日陰を有効活用できるのは地味に大きな利点です。

ミョウガは地下の茎(地下茎)を伸ばしながら株を広げていく性質があるため、年数が経つほど株の数そのものが増えていきます。

最初は1株からのスタートでも、数年後には30〜50個以上を収穫できるようになることも珍しくありません。

薬味として使うミョウガは単価も決して安くないので、この「収穫量が右肩上がりに増える」という性質は、長く育てるほど効いてくるポイントです。

フキ|4〜5年は植えっぱなしでいい山菜

フキは、日本各地の山野に自生している、昔から親しまれてきた多年草です。

春には蕗の薹の収穫も楽しめます。

一度植えてしまえば、4〜5年ほどはそのまま植えっぱなしで収穫を続けられます。

ただ、同じ場所に長く置きすぎると茎が細くなりやすいため、質のいいフキを求めるなら2〜3年ごとに株分けして植え替えるのがおすすめです。

日陰でも育つ性質はミョウガと似ているので、庭の同じような場所に両方を植え分けている家庭もあります。

ラッキョウ|寝かせる年数で、粒の数も大きさも変わる

ラッキョウは、ネギの仲間に分類される多年草です。

面白いのは、収穫までの年数を変えるだけで、収穫できる粒の数や大きさが変わってくる点です。

植え付けたその年のうちに収穫する「1年掘り」なら、一つの種球からおよそ10個前後のラッキョウが採れます。

収穫せずにもう1年そのまま育てる「2年掘り」にすると、一つの種球から30個以上の小粒のラッキョウが採れるようになります。

さらにもう1年待つ「3年越し栽培」という育て方もあり、同じ苗でも寝かせる年数によって、量を取るか粒の質を取るか、育て方を選べる面白さがあります。

結局、どれから始めればいいか

一番の近道は、すでに食卓に並んでいるナス・ピーマン・ししとうを、更新剪定や冬越しで長く使うことです。

新しく栽培を始めるわけではなく、今買っている苗の使い方を少し変えるだけなので、ハードルはかなり低めです。

今年からすぐに収穫を実感したいなら、成長が早く丈夫なニラが一番始めやすいです。

初期投資はかかっても、長期的なリターンを重視するなら、根株苗から始めるアスパラガスが向いています。

日当たりのいい場所が限られている、庭に日陰スペースがある、という場合は、ミョウガやフキがその場所を活かせる選択肢になります。

薬味や漬物としてよく使うなら、育てる年数で粒の量と大きさを調整できるラッキョウも、家庭の使い方に合わせやすい野菜です。

どれか一つに絞る必要もなく、まずは食卓に出る頻度の高いナス・ピーマン・ししとうから試して、余裕があれば他の野菜にも手を広げていく、という順番がおすすめです。

一年草を植え直し続けるサイクルから一つ抜け出すだけでも、来年、再来年の家計が地味に楽になってくるはずです。

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