知ってましたか?個人事業主でも使える補助金があるのですよ。
補助金だから返済不要!
ただ、「調べるのが面倒」「書類が大変そう」という理由で、結局手をつけずに終わっている人も同じくらい多いのではないでしょうか。
実際のところ、この億劫さの正体は「制度が複雑」というより「何から手をつければいいか分からない」ことにある場合がほとんどです。
今回は、個人事業主が実際に使える支援制度を3つ、それぞれ返済が必要かどうかまで含めて整理しました。
小規模事業者持続化補助金|従業員ゼロでも対象
小規模事業者持続化補助金は、チラシ作成やホームページ制作、店舗の改装、新しい設備の購入など、事業を続けていくための取り組みを支援する補助金です。
対象は「小規模事業者」で、これは会社の規模ではなく従業員数で判断されるため、個人事業主で従業員がいなくても対象になります。
そして一番大事な点ですが、これは「補助金」なので返済は不要です。
受け取ったお金を後から返す必要はなく、あくまで国から支給されるお金という扱いになります。
補助率は経費の3分の2で、基本の上限額は50万円です。
受け取るための条件としては、事業の計画書を作成したうえで、地域の商工会議所・商工会に「事業支援計画書(様式4)」という書類を発行してもらう必要があります。
この様式4は、申請の締切より1週間ほど早く発行依頼をしないと間に合わないため、実質的な準備期限は公募の締切日そのものより早く来ると考えておいたほうがいいです。
ここに、特定の条件を満たすと上限額が引き上がる「特例」が用意されています。
| 条件 | 上限額 |
|---|---|
| 基本(通常枠) | 50万円 |
| インボイス特例(免税事業者からインボイス発行事業者に転換) | 100万円 |
| 賃金引上げ特例 | 200万円 |
| 両方の特例を満たす場合 | 250万円 |
特例をうまく組み合わせられれば、上限額は基本の5倍にまで広がるということです。
ただし、注意しておきたいのが「後払い」という仕組みです。
採択が決まってから経費を使い、その実績を報告してようやく補助金が振り込まれるため、経費はいったん自分のお金で全額立て替える必要があります。
「採択されたらすぐお金がもらえる」わけではないので、立て替えられる資金の余裕があるかどうかを、申請前に考えておいたほうがいいです。
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)|個人事業主のほうが補助率が高い
「IT導入補助金」という名前を聞いたことがある人もいると思いますが、この制度は名称が「デジタル化・AI導入補助金」に変わっています。
古い名前のまま覚えていると、検索したときに情報が更新されておらず、混乱する原因になります。
この補助金は、会計ソフトや顧客管理ツール、業務効率化のためのクラウドサービスなどを導入する費用を支援するものです。
freeeやマネーフォワードクラウドのような、クラウド会計ソフトの利用料も対象に含まれます。
ここで意外なのが補助率です。
個人事業主・フリーランスに対しては、法人よりも優遇された補助率が設定されていて、条件によっては費用の最大8割を国が負担してくれます。
これも持続化補助金と同じく「補助金」なので、返済の必要はありません。
「小さくやっている個人事業主だから対象外だろう」と思い込んで調べもしないのは、正直もったいないです。
申請には直近の確定申告書類や納税証明書が必要になるので、日頃から確定申告をきちんとしている人ほど、いざというときに動きやすくなります。
「後払い」の立て替えがきついなら、返済ありの融資という選択肢もある
ここまでの2つはどちらも返済不要ですが、実際にお金が振り込まれるのは経費を立て替えたあとです。
「立て替えられるほどの資金が今はない」という場合、日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」のような、返済ありの公的な融資を組み合わせる方法があります。
これは補助金ではなく融資なので、当然、借りたお金は利息をつけて返していく必要があります。
金利の目安は年1.0%〜4.0%台で、審査の内容によって適用される利率が変わります。
返済期間は、設備を買うための資金なら20年以内(最初の2年は元金の返済を待ってもらえる据置期間)、日々の運転資金なら7年以内(据置期間2年以内)が目安です。
創業期であれば、担保も保証人も不要で借りられる点は、個人事業主にとって現実的なハードルの低さだと思います。
「経費を全額自分で立て替えるのは厳しいが、事業には投資したい」という場合、補助金だけで完結させようとせず、この融資を先につなぎとして使い、あとから補助金で一部を回収する、という組み合わせ方も選択肢に入ってきます。
3つの制度、返済の有無で並べるとこうなる
| 制度 | 返済 | 金額・利率の目安 | 受給・借入の条件 |
|---|---|---|---|
| 小規模事業者持続化補助金 | 不要(補助金) | 上限50万円〜250万円(特例により変動) | 商工会議所・商工会が発行する「事業支援計画書(様式4)」が必要 |
| デジタル化・AI導入補助金 | 不要(補助金) | 費用の最大8割 | 直近の確定申告書類・納税証明書が必要 |
| 日本政策金融公庫 新規開業・スタートアップ支援資金 | 必要(融資) | 金利年1.0〜4.0%台、返済期間7〜20年以内 | 創業期なら無担保・無保証人 |
2つの補助金は併用できるのか
この2つの補助金は、対象にしている経費の種類が異なるため、内容が重複しなければ両方に申請できる可能性があります。
たとえば、チラシ制作や店舗改装は持続化補助金、会計ソフトの導入はデジタル化・AI導入補助金、というように役割を分けて考えると整理しやすいです。
ただし、同じ経費を両方の補助金に重複して申請することはできないため、何にいくら使うのかを先に整理してから、どちらの補助金に当てはまるか考えるのが順番として自然です。
書類は「一人で全部揃える」ものだと思っていませんか
補助金の話になると、多くの人がまず身構えるのが申請書類の準備です。
ただ実際には、書類作成のかなりの部分を、自分一人で抱え込まなくていい仕組みになっています。
電子申請の入り口「gBizIDプライム」は、早めに動けば数日で終わる
この3つの制度は、いずれも「jGrants」という電子申請システムを使うことが多く、その入り口として「gBizIDプライム」というアカウントが必要になります。
マイナンバーカードとスマートフォンがあれば、オンライン申請で最短即日発行されます。
マイナンバーカードがなく郵送で申請する場合は、印鑑証明書などを送ってから1〜2週間ほどかかります。
ここは補助金を使うと決めた時点で、他の書類より先に手をつけておくと、公募が始まったときに慌てずに済みます。
デジタル化・AI導入補助金は、ツール会社が書類作成を手伝ってくれる
デジタル化・AI導入補助金は、申請者が単独で国に直接申請するのではなく、「IT導入支援事業者」という登録事業者と一緒に申請を進める仕組みになっています。
freeeやマネーフォワードクラウドのような会計ソフトの提供会社自身が、このIT導入支援事業者に登録されていることが多く、ソフトを導入したい会社に相談すれば、申請書類の作成をかなりの部分サポートしてもらえます。
つまり、白紙の状態から自分で申請書を組み立てる必要はなく、導入したいツールの窓口に「補助金を使いたい」と伝えるところから始めれば十分です。
持続化補助金の計画書も、商工会議所に相談しながら作れる
持続化補助金の「経営計画書」「補助事業計画書」も、いきなり一人で完成させる必要はありません。
事業支援計画書(様式4)を発行してもらう窓口である商工会議所・商工会は、計画書の書き方そのものについても相談に乗ってくれる場所です。
「何をどう書けばいいか分からない」という段階でも、まず窓口に電話して相談する、というところから始めて問題ありません。
「全部を今すぐ」ではなく、公募スケジュールをカレンダーに入れるだけでいい
どちらの補助金も、年間を通じて随時申請できるわけではなく、決まった公募期間の中で申請する仕組みになっています。
この「億劫さ」を一気に解消しようとすると、結局また後回しになりがちです。
最初の一歩は、書類集めでも経費の計算でもなく、次の公募の受付開始日をカレンダーに入れておくことだけで十分です。
締切から逆算して動くより、受付開始のタイミングであらためて詳細を確認するほうが、直前で慌てずに済みます。
公募のたびに条件や上限額が見直されることもあるので、「去年調べたら対象外だった」という情報のまま止まっている人ほど、この機会に最新の公募要領だけでも眺めてみる価値はあると思います。



コメント