エアコンの暖房中、急に温風が止まって冷たい風、あるいは無風に変わること、実はよくあります。
「壊れた?」と焦って、室外機を叩いてみたり、コンセントを抜き差ししてみたりした人もいるかもしれません。
実はこれ、ほとんどの場合は故障ではなく「霜取り運転」という、エアコンが自分で行っている正常な動作です。
今回は、この霜取り運転がなぜ起きるのか、そして地味に減らす方法があるという話をまとめました。
霜がつくのは、実は「極寒」より「ちょい寒×多湿」のとき
エアコンの暖房は、室外機で外の空気から熱をくみ上げて、室内に送り込む仕組みで動いています。
このとき、室外機の中の熱交換器は、外の熱を奪い取るためにかなり冷たくなっています。
外気の湿度が高い状態でこの冷たい熱交換器に空気が触れると、空気中の水分がそこで結露し、そのまま凍って霜になります。
意外に思うかもしれませんが、この霜は気温が5.5℃からマイナス7℃くらいの範囲で、特につきやすいとされています。
真冬のキンキンに冷え込んだ日より、「肌寒いけど湿気もある」ような、季節の変わり目特有のじめっとした寒さのほうが、実は霜取り運転が起きやすいということです。
霜が厚くなると、暖房そのものの効率が落ちる
熱交換器の表面に霜が付着すると、そこに空気が触れにくくなり、外の熱をくみ上げる効率がどんどん落ちていきます。
そのままにしていると暖房能力がじわじわ低下していくので、エアコンは霜が一定量たまると、自動的にいったん暖房を止めて、霜を溶かす「霜取り運転」に切り替わります。
この間は室外機の動きを暖房から一時的に冷房寄りの動作に切り替えて熱交換器自体を温めるため、室内には温風が出てこず、無風や冷たい風に感じることがあります。
時間にして、だいたい4分から15分程度で霜が溶け終わり、また通常の暖房運転に自動で戻ります。
「止まった」のではなく「霜を溶かしている最中」なので、この間に電源を切ったり、設定を何度も変えたりする必要はありません。
霜取り中、内部では何をやっているのか
エアコンの中には「四方弁」という部品があり、冷媒(熱を運ぶための物質)がどちら向きに流れるかを切り替える役割を持っています。
暖房運転のときは、この四方弁が室外機で熱を取り込み、室内機で熱を放出する向きに冷媒を流しています。
霜取り運転に入ると、四方弁が一時的に切り替わり、冷房運転と同じ向きに冷媒を流すことで、室外機の熱交換器のほうに熱を集中させて霜を溶かします。
室内が一瞬冷たく感じるのは、この間だけ室内機側が一時的に冷房と同じ状態になっているためです。
この四方弁は、切り替えの際に電磁弁のコイルに通電して動く仕組みになっていて、長年使用したエアコンほど、このコイルが劣化して切り替えがスムーズにいかなくなることがあります。
「最近、前より霜取り運転が長い・頻繁な気がする」というエアコンが10年近く使っているものなら、フィルターや室外機周りの問題だけでなく、こうした内部部品の経年劣化が絡んでいる可能性も考えられます。
頻度を減らすには、室外機まわりの環境を整える
霜取り運転自体をゼロにすることはできませんが、頻度を減らす工夫はあります。
室外機の吸い込み口や吹き出し口の前に物が置かれていると、空気の通りが悪くなり、熱交換の効率が落ちて、余計に霜がつきやすくなります。
植木鉢や物置代わりに置いている荷物がある場合は、室外機の前後に十分なスペースを空けておくだけでも変わってきます。
また、設定温度を必要以上に高くして常にフルパワーで運転させていると、熱交換器がより冷え込みやすくなり、霜もつきやすくなる傾向があります。
厚着や加湿を併用して、設定温度を1〜2℃控えめにするだけでも、霜取り運転の頻度を多少抑えられる可能性があります。
それでも頻繁に止まるなら、フィルターも疑う
室内機のフィルターにホコリが詰まっていると、部屋の空気をうまく取り込めず、暖房効率そのものが落ちます。
効率の悪い状態で無理に稼働させ続けることになるので、結果的に霜取り運転が起きやすい状況を自分で作ってしまっていることもあります。
「最近やたら霜取り運転が多い」と感じたときは、室外機まわりの片付けと室内機のフィルター掃除、両方セットで見直すと効果的です。



コメント