ポータブル電源の選び方|防災用なら容量より「何を動かしたいか」で選ぶ

商品レビュー

台風や地震のたびに、ポータブル電源を持っておいたほうがいいかもと考える人が増えている印象があります。

ただ、いざ探してみると1,000Whクラスだけでも各社が似たような容量・価格帯で出していて、正直どれも同じに見えてきます。

今回は、防災用として人気の1,000Whクラスから、方向性が違う3台を比較しました。

今のポータブル電源が「リン酸鉄」を使う理由

今回比較する3台は、いずれも「リン酸鉄リチウムイオン電池(LFP)」というバッテリーを採用しています。

モバイルバッテリーなどで一般的な従来のリチウムイオン電池は、エネルギー密度は高いものの、過充電や高温状態が続くと発熱・発火のリスクがやや高いという弱点があります。

リン酸鉄タイプは、その名の通り電極に鉄系の材料を使うことで、この発熱・発火のリスクを抑えつつ、充放電を繰り返しても劣化しにくい設計になっています。

目安として、従来型が500回前後で劣化が目立ち始めるのに対し、リン酸鉄タイプは4,000回前後の充放電を繰り返しても、容量の80%以上を維持できるとされています。

災害時のような「いつ使うか分からないが、いざという時に確実に使いたい」という用途では、この長寿命と安全性の高さが、ポータブル電源にリン酸鉄が採用される理由になっています。

比較する3台

商品容量定格出力本体重量フル充電時間
Jackery ポータブル電源 1000 New1,070Wh1,500W10.8kg約1.7時間
EcoFlow DELTA 3 Plus1,024Wh前後1,500W(X-Boost時は超過対応)非公表(同クラス平均的)約56分
Anker Solix C1000 Gen21,024Wh1,550W(瞬間最大2,300W)11.3kg約54分

実績と軽さで選ぶなら、Jackery 1000 New

1000 Newは、1,000Whクラスの中では最軽量となる10.8kgで、持ち運びやすさでは3台の中でも優位です。

Jackeryはポータブル電源市場で長く実績を積んでいるメーカーで、サポート対応の評判も比較的安定しています。

一方で、後から容量を追加できる拡張バッテリーには対応しておらず、1,070Whという容量の中で完結させる設計です。

将来的に容量を増やす予定がなく、まず1台で防災用に備えておきたいという人に向いています。

充電の速さと出力の柔軟さなら、EcoFlow DELTA 3 Plus

DELTA 3 Plusは、約56分でフル充電できる充電速度が3台の中でも際立っています。

「X-Boost」という機能を使うと、多少電力効率を落とす代わりに、定格出力を超える一部の家電も動かせるようになります。

停電が起きてから充電する時間が限られる、あるいは非常時に手持ちの家電をなるべく幅広く動かしたい、という人には、この2つの機能が実用的なメリットになります。

本体重量は公式に明記されていないケースもあるため、購入前に販売ページで実際の数値を確認しておくと安心です。

とにかく高出力とパワーが欲しいなら、Anker Solix C1000 Gen2

C1000 Gen2は定格出力1,550W、瞬間最大2,300Wと、3台の中でもっとも高い出力に対応しています。

充電時間も約54分と速く、消費電力の大きい家電を動かしたい人や、短時間で満充電にしたい人に向いています。

本体重量は11.3kgと3台の中でもっとも重く、頻繁に持ち運ぶには少し負担に感じるかもしれません。

口コミでは、スマホアプリとの接続が不安定になることがある、ファームウェアの更新中に電源が落ちたという報告も一部あるので、アプリ連携をあまり過信せず、本体単体の操作でも困らないことを確認しておくと安心です。

防災用としてなら、まず容量より「何を動かしたいか」から逆算する

3台とも1,000Whクラスなので、容量そのものの差は正直それほど大きくありません。

それより大事なのは、停電時に何を動かしたいかを先に決めておくことです。

たとえば消費電力500Wの電気毛布なら、1,000Whの電源でおよそ2時間使える計算になりますし、消費電力の小さいスマホ充電やLEDライトなら、数日単位で使い続けられます。

逆に、電子レンジや電気ケトルのような瞬間的に大きな電力を使う家電は、定格出力を超えると動かせないことがあるので、購入前に自宅の家電の消費電力(W)を一度確認しておくと、実際に役立つ場面で「動かせなかった」を避けられます。

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