つみたて投資枠を使うと決めても、実際に何を買うかで、また新しく迷うことになります。
人気ランキングを見ると、だいたい「オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)」か「S&P500」のどちらかが上位に来ていて、結局この2つのどちらを選べばいいのか、というところで止まってしまう人が多いはずです。
さらに、同じ「オルカン系」「S&P500系」の中にも似たファンドが複数あって、名前だけではどう違うのか分かりにくいです。
今回は、この「オルカンかS&P500か」という一番大きな分かれ道と、それぞれの中での商品選びまで、実際の数字を使って整理しました。
オルカンとS&P500、投資している中身がそもそも違う
オルカンと呼ばれる全世界株式ファンドは、MSCI ACWIという指数に連動していて、日本を含む世界61カ国、約3,000銘柄に分散投資します。
ただし「全世界」といっても、時価総額に応じた比率で組み入れられるため、実際にはその中の6割前後をアメリカ企業が占めています。
一方のS&P500は、アメリカの主要企業500社だけに絞った指数で、最初からアメリカ集中で投資する商品です。
つまり、「オルカンならアメリカ以外にも分散できて安心、S&P500はアメリカだけだから偏っている」というほど単純な話ではなく、オルカンもすでにアメリカ中心の中身になっている、というのが実態です。
違いとしてはっきりしているのは、オルカンは残り4割で日本・欧州・新興国などにも分散している一方、S&P500はその分散を持たず、アメリカの成長に賭ける形になる、という点です。
これまでの十数年はアメリカ株式の成長が世界平均を上回ってきましたが、この傾向が今後も続く保証はどこにもないので、過去の実績だけで判断しないほうがいいです。
実際の4本を数字で比較
| ファンド名 | 投資対象 | 信託報酬(年率) | 純資産総額 | 特徴 |
| eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 全世界(MSCI ACWI) | 0.05775% | 約5.39兆円 | 国内投資信託で最大級の規模、実績年数が長い |
| 楽天・プラス・オールカントリー | 全世界(MSCI ACWI) | 0.0561% | 約4,384億円 | 2023年10月設定、楽天証券で保有するだけで楽天ポイントが貯まる |
| eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 米国(S&P500) | 0.09372% | 6兆円超 | 国内公募投信で最大規模、指数に直接連動 |
| SBI・V・S&P500インデックス・ファンド | 米国(S&P500) | 0.0938% | 約2兆円 | 米国ETF「VOO」を通じて間接的に投資 |
信託報酬はどれも年0.1%を切っていて、正直なところ、この4本の間の差はごくわずかです。
なので、「信託報酬で選ぶ」というよりは、「全世界かアメリカ集中か」を決めたあとに、残りは他の要素で選ぶくらいの感覚でちょうどいいと思います。
オルカン同士なら、保有しているだけでポイントが付くかどうかが分かれ目
eMAXIS Slimと楽天・プラスのオールカントリーは、どちらも同じMSCI ACWIに連動しているため、投資している中身はほぼ同じです。
信託報酬もわずかに楽天・プラスのほうが低いですが、この差は誤差の範囲と考えていいレベルです。
実質的な違いとして大きいのは、楽天・プラス・オールカントリーは楽天証券で保有しているだけで楽天ポイントが貯まる仕組みになっている点です。
すでに楽天証券でクレカ積立をしているなら、積立時のポイントに加えて保有時のポイントも重なるので、この組み合わせを選ぶ理由になります。
逆に楽天証券を使っていないなら、実績年数が長く純資産総額も大きいeMAXIS Slimのほうが、無難な選択です。
S&P500同士なら、運用方式の違いが唯一の分かれ目
eMAXIS SlimとSBI・Vも、信託報酬はほぼ横並びで、リターンの差もほとんど出ていません。
唯一違うのは運用方式で、eMAXIS SlimはS&P500の指数に直接連動する形で運用しているのに対し、SBI・Vは米国の人気ETF「VOO」を買い付けることで、間接的にS&P500へ投資しています。
とはいえ、どちらも最終的にS&P500の値動きにほぼ連動するように作られているので、この違いが実際の資産運用に与える影響はごくわずかです。
迷ったら、純資産総額が大きく実績も長いeMAXIS Slimを選んでおけば、無難という判断で問題ありません。
結局、最初の1本はどちらがいいか
アメリカの成長に集中して投資したい、値動きの理屈をシンプルにしておきたいという人には、S&P500系が向いています。
アメリカ一国に集中することへの不安があって、世界のどこかが成長すれば取り込める形にしておきたい人には、オルカンのほうが心理的に続けやすいと思います。
どちらか一方を選ばなければいけないわけでもなく、つみたて投資枠の中でオルカンとS&P500を両方少しずつ積み立てている人も実際には多いです。
迷って手が止まるくらいなら、まずどちらか一本を少額から始めてみて、値動きを見ながら考えるくらいで十分だと思います。
※本記事は特定の商品を推奨するものではありません。
信託報酬・純資産総額などの数値は変動するため、購入前に必ず各運用会社・証券会社の公式サイトで最新情報を確認してください。
投資には元本割れなどのリスクがあり、金融商品の購入・売却はご自身の判断と責任で行ってください。



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