象印のIH炊飯ジャー NW-QB10:本当にご飯が美味しく炊けるのか

商品レビュー

炊飯器って、正直どれも同じような気がしていました。

値段の差は機能の多さだろうくらいに思っていたんです。

お米が「美味しくなる」のは、でんぷんが姿を変える化学変化だった

象印のIH炊飯ジャー NW-QB10に買い替える前、なぜ生米があんなに硬いのに、炊くとふっくらもちもちになるのか、考えたこともありませんでした。

生米のでんぷんは「βでんぷん」という、分子がぎっしり密に並んだ状態で、消化にも吸収にも適していません。

ここに水を含ませて加熱すると、60℃あたりから分子の間に水が入り込んでほぐれ始め、80℃を超えるころには表面が溶け出して粘りけが出てきます。

この「糊化(α化)」という変化こそが、硬い米粒がふっくら甘みのあるご飯に生まれ変わる正体でした。

つまり炊飯器の役目は、単に熱を加えることではなく、この糊化という化学反応を米粒の芯まで均一に、狙った温度帯でしっかり起こすことなんです。

土鍋のかまど炊きが美味しいのは、対流が米を「踊らせる」から

「土鍋で炊くと美味しい」とよく聞きますが、これも理由を知ると納得できます。

土鍋は多孔質(目に見えない微細な穴が無数にある)構造で、遠赤外線を出しながらじっくり全体を温めます。

最初は弱火でゆっくり米の中心まで吸水させ、その後の高火力では、釜の中で細かい気泡が均一に立ち上がり、この泡がお米を優しく包み込んで対流させます。

米粒同士がぶつかって傷つくことなく、一粒一粒に均等に熱が伝わることで、表面がつややかでもちもちした、粒の揃った炊き上がりになるんです。

かまど炊きの美味しさは、火加減の職人技というより、この「傷つけずに全体を均一加熱する対流」を生み出せるかどうかにかかっていました。

フタを開けた瞬間の湯気で、その対流を実感した

豪熱沸とうIHという高火力の加熱方式は、まさにこの土鍋の対流を電気の力で再現しようとする技術です。

電磁誘導で内釜自体を発熱させ、強い沸騰の勢いで米を対流させることで、かまど炊きに近い「傷つけず、包み込むように」加熱する状態を作り出しています。

炊きあがったご飯を開けた瞬間の湯気と、一粒一粒立ってる感じが、これまでの炊飯器とは違いました。

基本の白米だけでここまで違いが出るのかと、最初のひと口を食べたときにちょっと感動したのを覚えています。

土鍋のような対流を、毎日ボタン一つで再現してくれていると思うと、この火力にお金を払う意味が腑に落ちました。

洗うパーツが2点だけ、という習慣化のしやすさ

炊飯器のお手入れって、地味に面倒なんですよね。

以前使っていた炊飯器は蒸気口のパーツが細かく分かれていて、毎回外して洗うのが正直億劫でした。

これはフラット庫内で、毎回洗うのは内釜と内ぶたの2点だけ。

蒸気口セットのような細かいパーツがないので、サッと拭くだけで済みます。

この手軽さのおかげで、「今日は面倒だから後で洗おう」と後回しにすることがなくなりました。

キッチンに置いても、生活感が出ない見た目

見た目もマットな黒で、キッチンに置いても悪目立ちしません。

炊飯器ってどうしても生活感が出やすい家電だと思っていたので、ここは地味に嬉しいポイントでした。

保温してもご飯がパサつきにくく、しっとりした状態が長く保たれるのも助かっています。

糊化したでんぷんは時間が経つと再び硬くなる「老化」という現象を起こすのですが、保温性能はこの老化の進みを遅らせる働きもしているんだと理解しています。

高火力ゆえの音と、電気代のトレードオフ

炊飯前半、排熱ファンがそれなりの音で回ります。

狭い部屋やワンルームだと、静かな時間帯には少し気になるかもしれません。

IHは釜全体を電磁加熱で高火力に温める仕組み上、マイコン式より消費電力が高くなる傾向があります。

あと、「やわらかめ」設定で炊いても、思ったより硬めに感じることがあるので、好みによっては水加減を多めに調整する必要があります。

高火力ならではのクセ、という感じでした。

炊飯器選びで見るべきポイント

炊飯方式には、圧力IH・IH・マイコンなどの違いがあります。

圧力IHは弾力のある粘りを求める方向け、IHは高火力でしっかり熱を入れたい方向け、マイコンは価格・電気代を抑えたい方向けです。

容量は、一人暮らしなら3合、家族向けなら5.5合が目安ですが、多めに炊いて冷凍保存する使い方なら、一人暮らしでも5.5合を選ぶ方が家事の負担は減らせます。

普段使いのご飯がしっかり美味しくて、お手入れも楽。

炊飯という行為が、単なる「加熱」ではなく「でんぷんを化学変化させる料理」なんだと知ってから、毎日のご飯への見方がちょっと変わりました。

コメント